• 2023年10月17日

コレステロールは、あまり頑張らずに薬に頼りましょう!

開業してから1か月半あまりですが、病院で週に1度の外来診療とは違って、クリニックで毎日外来をしていると、それだけ多くの患者さんの話を聞く機会があります。そのなかで、実感しているのはまだまだ患者さんに正確な情報が届いていない事が多いなと感じています。

その中でも最も多いのが、脂質異常症(高コレステロール血症)の患者さんです。特に今回は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い方のお話をします。

わかりやすく言うと、脂質異常症の治療は“無理せず薬に頼る!”に尽きます。

なぜならコレステロールは肝臓で70-80%作られてしまいます。そのため食事療法や運動療法などの自分の努力で下げることができるのは、20-30%が限界です。頑張ってもあまり報われないのが実情です。

私自身の話をします。年齢はまだ30台半ばでした。健診でLDL-C(悪玉)が160以上という結果がでました。以前から高めで推移していたのですが、さすがにやばいと思い、本気で食事療法・運動療法に取り組むこととしました。

ただ当時私は、標準よりやせ型であり、運動習慣(ジョギング・競技自転車)があり、お酒も飲まないため、さらに運動習慣を増やし、食事療法を強化することとしました。これ以上の努力は厳しいぞというところまで追い込み、半年後の血液検査の結果は、LDL-C 148mg/dL!!全然下がらんやん!もうこれ以上は無理と心が折れました(笑)。

同じようなことが、多くの患者さんで起こっています。それはそうですよね、約80%が体内で作られてしまうので、自分の努力で下げられるのも限界がありますよね。しかも私の場合は、父親を若くして心筋梗塞で失っています(早発性冠動脈疾患の家族歴あり)ので、通常よりもLDL-Cを下げておく必要があります。高血圧・糖尿病・動脈硬化疾患のある方も同様です。

というわけで、内服治療を開始したところ、速やかに悪玉コレステロールは下がりました。現在も継続して飲んでいます。そして私の兄弟は全員内服しています。親から受け継いだものなので、自分が高いということは兄弟・姉妹も高いはずなんですね。

健診でコレステロールが高いのを、放置していませんか?食事・運動療法で頑張り過ぎていませんか?どうかあまり無理せずに、早めにお薬に頼るということを、選択肢のひとつとしてお持ちください。

いつでも相談させていただきます。ではまた!

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