• 2025年9月28日
  • 2025年10月4日

高血圧治療ガイドラインが6年ぶり改訂!家庭血圧125/75未満が新たな治療目標となりました。

8月に高血圧管理・治療ガイドライン2025が発表されました。早速購入して、300ページにわたるガイドラインを読み込んでいます。大変ですが、循環器専門医として、義務感で読んでいます(笑)

降圧目標としては、全年齢共通で家庭血圧を125/75未満、診察時血圧を130/80未満にするようにとの事です。わかりやすい基準になったように思います。

ガイドラインには、厳しい言葉が並んでいます。血圧管理状況は、主要経済国の中で最低レベルであり、その要因は、高い血圧を下げるメリットが十分に国民に理解されていないこと、医療者が高い血圧に対して積極的な対応をしていないことと指摘しています。

日本における高血圧者は約4300万人とされ、降圧薬服用者は約2400万人、このうち治療により血圧が良好にコントールされているのはわずか27%程度。

日本人の高血圧の特徴は、①食塩の過剰摂取②肥満の増加です。

食塩摂取量は減少傾向ではありますが、いまだ1日あたり男性10.7g、女性9.1gを摂取しており、2012年発表の世界保健機構(WHO)ガイドラインの5g未満を大きく上回っています。

肥満者は年々増加しており、男性ではBMI25以上の割合が31.5%と過去30年で2倍となっています。女性においては過去30年で明らかな増加は認めておりません。今後も増加する可能性があり、肥満予防対策も同時に強める必要があります。

家庭血圧の測定を推奨しており、朝と晩の2回測定。朝は起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬前、朝食前、座位1-2分安静後の測定を、晩は就寝前、座位1-2分安静後の測定を推奨しています。1機会に原則2回測定し、その平均を採用します。

家庭血圧で135/85以上が5日以上継続する、もしくは健診などで140/90を超える値が1度でもあった場合には、原則として医療機関の受診を推奨しています。該当する方は、気軽にご相談ください。

写真は、夢前川の彼岸花です。河川敷では毎年この時期に草刈りが行われますが、彼岸花を避けてくれるので、毎年楽しむことができます。作業される方の気遣いに感謝です。

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