• 2024年9月23日
  • 2024年9月26日

家族性高コレステロール血症

脂質異常症は生活習慣病と言われていますが、悪玉コレステロール(LDL-C)の産生については、体質が大きく関与しており、食事の影響は2-3割程度であることを、以前のブログに記載いたしました。

脂質異常症のなかでも、遺伝子レベルで異常を指摘されている疾患があります。

それが家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia:FH)です。

これは常染色体優性遺伝の病気であり、両親のどちらかが遺伝子変異を有していると、子供が同じ病気になる確率が50%になりますので、両親のどちらかがLDL-Cが高いと指摘されている方は注意が必要です。

家族性高コレステロール血症の診断基準

  • LDL-C 180 mg/dL以上
  • 腱黄色腫(アキレス腱肥厚など)、皮膚結節性黄色腫
  • 家族歴 (第一度近親者のFH、早発性冠動脈疾患(狭心症 心筋梗塞など))

当院では、エコー検査にてアキレス腱肥厚を確認しています。男性6.0㎜以上、女性5.5㎜以上が肥厚ありと診断されます。

一般人口の300人に1人程度といると報告されており、決して珍しい病気ではありません。

治療は基本的には、通常の脂質異常症の治療と同じなのですが、かなりLDL-C値が高い方だと1剤では治療目標値に到達せず、2剤、3剤と追加の薬が必要になることが多いです。

コレステロール値が高いのを放置していませんか? 特にご両親が狭心症や心筋梗塞と診断されている方は、注意が必要ですので、ご相談ください。

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