- 2023年9月18日
不整脈にコップ1杯の水が効く!?
確かにそんな不整脈があります。
挨拶文にもありますが、私は高校生の時から不整脈の発作をもっています。最近は安定しているのですが、いつ再発してもおかしくない状態です。
まだ若かりし頃、真夏の暑い日の昼間にジョギングをしておりました。もちろんお勧めしません。するとやつが来ました。不整脈の発作です。私の場合は大体脈が200近くまで上がるのでまあまあきつい。持ち物は家の鍵だけ。携帯なし。小銭なし。薬なし。歩くのもしんどい。やや危機的状況ですよね。だから記憶も鮮明です(笑)。どうしようと思いながら歩いていると、幸いにして消防署がありました。
受付にて“すいません、水を頂きたいのですが”とお願いすると、2階の食堂に案内されました。するとそこには大勢の消防隊員がいました。昼食時だったんですね。そして皆さん礼儀正しいので、大きな声で頭をさげて“こんにちは!”の嵐・・・バクバクする心臓をかかえながらできるだけの笑顔で挨拶を返し、ようやくウォーターサーバーの前に着きました。
そう求めていたのは一杯の水、しかも冷たい水!これです!ごくごくと飲みます。実は胃の中に冷水が入ると、迷走神経が刺激されて心拍が下がってきます。
隊員は心配そうに“大丈夫ですか”と声をかけてきます。向こうもプロですからね、異変に気付いているのかも。しかし私もこんなことで万が一にも救急車で運ばれている場合ではないのです。なにせ最寄りの病院には、知り合いのA先生やらB先生がいます。
ここで治さないと絶対に冷やかされる!と思いながら、“大丈夫です。もう少しやすませてください”と言い、さらにもう1杯飲みます。脈が徐々に下がるのがわかります。そこで大きく息を吸い込み、ぐっと息を止めて前傾姿勢をとります。飛行機の緊急時のあれみたいにですね。するとさらに脈が下がってきて、10数秒後にやっと元の脈に戻りました。
そして一気に血の気が戻ってきました。この不整脈は脈がかなり速くなるので、血圧が下がるんですね。その後、隊員の方々にお礼を言って無事に家に帰ることができました。
はい、そうですね。そもそも暑い中で激しい運動をするなという話ですよね。すいません。でも不整脈の中には確かに一杯の水が効く不整脈が存在します。現在ではカテーテルアブレーションという治療が有用ですので、お困りの方は相談にのります。