- 2023年10月29日
あなたのコレステロールの目標値は?循環器内科医に任せなさい!
今日は日曜日。休日はできるだけ身体を動かすようにしています。午前中はテニスをして、夜はお散歩をしてきました。今日も綺麗な満月ですね。身体は心地よい悲鳴をあげています(笑)。
さて、コレステロールのお話が好評でしたので、第2弾となります。前回と同様に、わかりやすく悪玉コレステロール(LDL-C)に限定します。LDL-Cの目標値は、ゆるい人は160未満、最も厳しくする方は70未満!となっています。すごい差がありますよね。
狭心症・心筋梗塞の既往があるか、糖尿病・慢性腎臓病・脳梗塞・足の動脈硬化疾患、さらには喫煙・高血圧症・低HDL-C(善玉ですね)・耐糖能異常・早発性冠動脈疾患家族歴などの個数をカウントして、性別・年齢を加味して決定することを動脈硬化学会が推奨しています。少々ややこしいですよね。
そもそもガイドラインとは、専門としない医師でも標準的な診療ができるように作成されるものであり、動脈硬化疾患の診療を専門とする循環器内科医にとっては、患者さんと向き合ったときに、この患者さんにこれをそのまま適応してよいのか?と疑問が浮かぶことがしばしばあります。
たとえば健診でLDL-C 158で、上記のリスクが何もない人から“先生、コレステロールが高くて健診でひっかかったんですけど、薬飲まなくて良いんですか?”と聞かれて、“ガイドラインでは、160未満で良いから飲まなくて良いですよ”と答えて、患者さんは安心するでしょうか?私自身の答えはNOです。
では現状どうしているか。当院では、血圧脈波検査(ABI)にて、動脈圧波形をみて動脈硬化の進展具合を確認し、さらに頸動脈エコー検査にて動脈の内膜中膜複合体(IMT)の厚さを計測し、動脈硬化を見える化することで、より正確に患者さんの動脈硬化の程度を把握したうえで、治療方針や目標値を決定するようにしています。
頸動脈エコー検査の結果は、当院では実際の画像写真を患者さんと見ながらの説明をしていますので、これがかなり患者さんにはわかりやすいと好評です。下の画像は、動脈硬化のない方の写真ですね。あなたの動脈はどうでしょうか?脂質異常症の治療は、循環器内科医に任せなさい!(笑)ではまた!